業界情報

Microsoft Teamsのパフォーマンスと可用性の最適化

投稿者 Marc Kokje
| | 1 分

概要


Microsoft Teamsのパフォーマンスと可用性の最適化

COVID-19対応として、広範囲にわたるソーシャルディスタンスの確保と屋内退避の要請により、ホームオフィスの普及は大幅な成長を遂げています。現在はほとんどの方々がリモートユーザーとなっており、さらにこの傾向が COVID-19後に再び変化するかどうかは疑問です。

多くの企業は、テレワークが「新しい」職場環境の不可欠要素になっていることを認識していますが、次のような新しい課題や質問も伴います。

  • ユーザーは業務アプリケーションをどの程度効率的に使用できていますか?
  • プライベートなホームオフィス環境でのリモートユーザーのアプリケーションの可用性はどの程度ですか?
  • 問題を抱えたホームオフィスユーザーを支援するために、IT部門はどの程度適応する必要がありますか?
  • 計画、構築、実行の観点から、将来のプロジェクトの実現見込みはいかがですか?
  • 新しいアプリケーションまたはサービスは現在のインフラでどのように動作しますか。また、アーキテクチャを調整する必要がありますか?
  • プロジェクトの展開時、システム移行中にどのような問題が発生する可能性がありますか?
  • 運用チームは、新しいアプリケーションまたはサービスの運用を保証するために必要なすべての情報、SOP、および可視性を持っていますか?

従業員のためのデジタル体験が重要

今日のユーザーにシームレスなデジタル体験を保証することにより、ビジネスクリティカルなSaaSアプリケーションへのアクセスを提供し、迅速に発生する問題を特定することができます。テレワークが新しい標準になっているため、従業員の生産性とコラボレーションを維持するために、Microsoft Teamsのようなチャットおよびビデオ会議ソリューションが不可欠になっています。実際、Microsoftが発表した数値では、「ソーシャルディスタンスの確保や、屋内退避が要請されているイタリアで、Microsoft Teamsによる定例Web会議が1か月間で775%増加した」ことを示しています。これらのサービスの採用は、従業員の就労環境の向上を目的としていますが、ITチームは、従業員の場所や要件を問わずしていかに問題のトラブルシューティングと解決を行い、Microsoft Teamsの可用性確保とパフォーマンスの評価を実現できるか日々頭を悩ましています。

そこで登場するのが、ThousandEyesのエンドポイントエージェントです。このエージェントはThousandEyesでユーザー体感品質監視を行う機能の一部であり、エンドポイントから基盤となるインフラに関する洞察と、関連するISPおよびSaaSのインフラを含むエンドツーエンドのネットワークパスビューを提供します。これらは、的を絞ったトラブルシューティングを行うには不可欠な機能です。したがって、エンドポイントエージェントは、可能な限り最高のユーザーエクスペリエンスを保証し、例えエラーが発生した場合でも的を絞ったサポートを提供するための重要な鍵となるのです。

図1:Webサイトへのアクセスとエンドポイントエージェントから収集された情報
図1:Webサイトへのアクセスとエンドポイントエージェントから収集された情報
図2:パスの可視化-各クライアントからISP/CSPを介したMicrosoftノードへのパス
図2:パスの可視化-各クライアントからISP / CSPを介したMicrosoftノードへのパス

もちろん、これらの情報は将来のプロジェクト計画に役立ちますが、進行中のMicrosoft Teamsの導入計画、構築、実行の各段階においても力を発揮します。たとえば、ある海外のお客様の例では、サービスの可用性とユーザー体感品質が想定通りに各地域のユーザー要件を満たしているかどうかを事前にテストしました。 これにより、どのサービスプロバイダーが最高の可用性を提供しており、どのような要件を満たす必要があるかが明らかになったため、ソリューションの展開と運用を最適化できました。 その結果、導入予定期間を21日間短縮でき、サポートチケット数も大幅に減少しました。

Microsoft Teamsのパフォーマンスと可用性

Microsoft Teamsは、今や多くのお客様が使用する人気のコラボレーションツールです。ここでは、このサービスのパフォーマンス監視および最適化の方法をご紹介いたしますが、特に重要な2つのコンポーネントに焦点を当てます。

  • Teamsエッジノード。Teamsのクライアントと通話シグナリングを管理し、teams.microsoft.comからアクセスできます。
  • Teamsトランスポートリレー。使用されるトランスポートリレーを含むメディアパーツ全体の処理をカバーし、world.tr.teams.microsoft.comからアクセスできます。

Microsoftは、エンドユーザーに最適な体感品質を保証するために必要なネットワーク品質の推奨しきい値を設定しました。これらを「ベースライン(基準値)」として使用することで、各コンポーネントのパフォーマンスを検証できます。

図3:マイクロソフトが提供するネットワークパフォーマンス要件
図3:マイクロソフトが提供するネットワークパフォーマンス要件

さらに、ユーザーは現在、オフィスからではなくホームオフィスからTeamsにアクセスしているため、コール ルーティングも変更されたことを考慮する必要があります。

図4:クラウド経由のTeamsトラフィックルーティング
図4:クラウド経由のTeamsトラフィックルーティング

この例では、顧客環境にて、これら2つのコンポーネントに重点を置き監視テストを設定しました。

Teamsエッジノード– teams.microsoft.com

定期実行されるHTTPサーバーテストを使用して、Teams エッジノードへの到達可能性とパフォーマンスを検証できます。 可用性、応答時間、スループットなどの値は、サービス自体の可用性と品質に直接結びつくため、迅速に異常を検知し、問題のあるユーザーシステムの解析に集中することができます。 また、インストールされたエンドポイントエージェントは、ユーザー自身があたかもteams.microsoft.comにアクセスしているかのように動作します。

図5:teams.microsoft.comに接続しようとする北米の2人のユーザーのDNSエラー
図5:teams.microsoft.comに接続しようとする北米の2人のユーザーのDNSエラー

ThousandEyesのマルチレイヤー監視は、HTTPサーバーレイヤーだけでなく、ネットワークなどの他のレイヤーも可視化できます。パケットロス、遅延、ジッター、TCP接続エラー、あるいはCPUやメモリ使用量などのシステム情報等の個々のメトリックも詳細表示されます。また、パスの可視化により、エンドツーエンドのネットワーク情報が得られるため、従業員自宅のルーター/ Wi-Fiやサービスプロバイダーを含む、どのノードに問題があり、誰の管理下であるかをすばやく簡単に認識することができます。

図6:teams.microsoft.comへのアクセス時に繰り返しパケットロスが発生する日本のユーザー
図6:teams.microsoft.comへのアクセス時に繰り返しパケットロスが発生する日本のユーザー

Teamsトランスポートリレー– world.tr.teams.microsoft.com

この例では、ネットワークテストを使用して、トランスポートリレーの可用性とそのサービス品質を監視します。ユーザー端末にインストールされたエンドポイントエージェントから定期実行される監視テストからは、エンドツーエンドのパスの可視化を含む重要なデータが取得されます。

図7:監視テストから取得される様々なトランスポート リレー ネットワークの情報
図7:監視テストから取得される様々なトランスポート リレー ネットワークの情報

では、ロックダウンが始まってから何が変わったでしょうか?そして、それはMicrosoft Teamsにどのような影響を与えたでしょうか?

次の画面では、日中のパケットロスが最大17%増加したことがわかります。これは、COVID-19およびロックダウンの前には見られなかった現象でした。

図8:日中に際立った各所で発生したパケットロス
図8:日中に際立った各所で発生したパケットロス

マルチレイヤーデータの関連付けとパスの可視化により、このパケットロスの発生箇所をすばやく特定できます。

図9:ISPネットワーク内のパケット損失
図9:ISPネットワーク内のパケット損失

まとめ

「デジタルユーザーエクスペリエンス」は、今日の世界では非常に重要なものとなりましたが、長期的にもますます重要になっていくでしょう。 COVID-19とそれに続くロックダウンは、企業と従業員に絶え間なく影響を与えるだけでなく、デジタル変革を継続的に推し進めることになります。また、SaaS、SASE、PaaS、IaaSなどのクラウドベースのサービスへの移行により、ユーザーのデジタル体感品質監視は不可欠なものとなるのです。

ThousandEyesの導入により、ITチームは、リモートユーザーを支援するための各種情報を手元に持つことができるため、より良いサービスを提供できます。また、これらの情報は、「シェアリンク機能」を使用してサービスプロバイダーとも共有できるため、より協調的な方法で問題を解決できます。さらにこれにより、障害復旧時間が大幅に短縮され、「グループ間の責任の押し付け合い」を回避できます。

ThousandEyesは、計画、構築、実行の3つのフェーズすべてに対応する戦略的ネットワークおよびクラウド インテリジェンス プラットフォームであり、デジタル変革を推進する多くの顧客をサポートしてまいりました。是非、一度 ThousandEyes の無償トライアルをお試しください。

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