デジタル体験モニタリングとは
IT 技術がユーザーにもたらす最大の恩恵はデジタル体験の提供です。しかし、デジタル体験は、IT 部門が所有することも直接制御することもない外部サービス (クラウド、SaaS、インターネットなど) に依存しており、その依存度は高まり続けています。一方、基盤となるインフラをすべて所有していなくても、IT 部門にはユーザー体感品質を維持する責任があるのです。
DEM (デジタル エクスペリエンス モニタリング) は、最近登場した新しい Gartner IT カテゴリであり、ネットワークやサービスなど、企業の内外すべての (人間やマシンの) 依存関係におけるユーザー体感品質を監視します。DEM は、NPM (ネットワークパフォーマンス管理) や APM (アプリケーションパフォーマンス監視) といった、企業の内部 IT 環境向けに設計されている従来型の縦割り監視ツールを根底から変革し、デジタル化のプロセス全体を見据えながら、デジタル体験の導入を成功に導きます。デジタル体験全体を可視化することで、IT イニシアチブを収益や顧客満足度の向上などのビジネス成果に繋げることができます。
DEM ソリューションは、STM (Synthetic transaction monitoring: デジタル体験)、ネットワーク可視化、エンドポイント、および RUM (リアル ユーザー モニタリング) などのテクノロジーを活用して、ユーザー体感品質の 360°ビューをリアルタイムで提供します。これらのテクノロジーが一体となることで、IT 環境は劇的に進化します。
変貌した世界
今やデータ センターはクラウド、ネットワークはインターネット、アプリケーションは SaaS が当たり前になりました。そのため、企業の IT チームは、この複雑な環境をビジネスのニーズに適合させようと四苦八苦しています。組織の要となる戦略責任者として成功するためには、CDN からバックエンド API までのデジタル サプライ チェーン全体が顧客や従業員にどのように貢献しているかを理解する必要があります。

真のポテンシャルを解放
e コマースなどのデジタル サービスを提供している場合でも、クラウド ベースのエンタープライズ アプリケーションに依存して事業を運営している場合でも、ThousandEyes DEM は、デジタル体験をかつてないレベルで可視化します。ThousandEyes のプラットフォームは、ネットワークおよびアプリケーション Synthetic Monitoring (模擬トランザクションモニタリング)、EUEM (エンド ユーザー体感品質モニタリング)、BGP ルート情報、そしてインターネット / クラウド障害検出などのテクノロジーを組み合わせることで、グローバルの監視ポイントからユーザーの動作をエミュレートし、ユーザーの行動や体験を追跡できるようにします。インターネット、クラウド、そして Web アプリケーションの全体的なパフォーマンス データ (応答時間やトランザクション時間など) を追跡し、ダウンタイムやパフォーマンス低下の根本原因をすばやく突き止めることで、IT チームはより効果的な計画を立て、運用者自身の業務効率も最適化して、ユーザー体感品質の改善へと繋げることができます。
DEM からデジタル変革のリーダーシップへ
DEM 戦略を通してデジタル イニシアチブをビジネスの成果に直接繋げることは、IT 部門を単なるインフラの管理者から成長を牽引する戦略的パートナーへと進化させるための第一歩に過ぎません。IT 部門が主要なビジネス成果と密接に関連した監視戦略を立てることができれば、企業はデジタル ビジネス変革のリーダーとなり、顧客体験の向上に加えて、NetOps、SRE、DevOps、アプリケーション サポート チーム間のパートナーシップ強化、さらには競合他社に対して今よりも高い目標の設定が可能になるでしょう。ユーザー体感品質の監視ソリューションにより、IT リーダーは、IoT (Internet of Things: モノのインターネット) や e コマースの拡張など、新たなデジタル商機への扉を開くことができます。
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デジタル体験モニタリング(DEM)の概要
Gartner 社は 2019 年 9 月に、デジタル体験モニタリング(DEM)に関するマーケットガイドを発行しました(確認するには Gartner 社への登録が必要)。疑い深い人は、さらに他の頭文字のソリューションを紹介する「別のアナリストレポート」に目を向けるかもしれませんが、このレポートは十分読むに値します。Gartner 社のレポートは、多くの主要企業が存在している世界の現実を反映しているため、DEM の導入は重要だと考えています。

デジタル体験の可視化が重要
2019 年が始まるにあたり、ITOps のイニシアチブを改めて検討すべきです。2018 年の最大のポイントの 1 つは、クラウドの採用と顧客体験のデジタル化が主流となり、IT Ops チームがそのトレンドに追いつくべき時期になったということです。次のポイントは、これらの新しいドメインを可視化するのは難しいということです。しかし、実際にできないということはあるのでしょうか。残念ながら、あります。
クラウドやデジタル変革を最大限に活用