デジタル体験モニタリングとは

デジタル体験にかかわる問題に効果的に対処するには、問題を特定することが先決です。どんな問題も、把握できないことには解決のしようがありません。問題を把握するための足掛かりに最適なのが、デジタル体験モニタリング (Digital Experience Monitoring, DEM)による環境およびデジタルサービス提供チェーンのモニターです。この方法ならお客様の直接的な体験に影響が出る前に問題を特定できます。この手法こそが DEM の根幹です。

Gartner®  は DEM を次のように定義しています。「DEM とは、エンドユーザーやデジタルエージェントがアプリケーションやその基盤となるインフラを操作する際に経験する可用性、パフォーマンス、体験の質をモニターするテクノロジー。ユーザーはサービスを利用する社外の顧客の場合もあれば、会社のツールにアクセスしようとする社内の従業員の場合も、あるいはその両方の組み合わせという場合もある。DEM テクノロジーはユーザーの振る舞いを観察することで、ユーザーのプロセスを連続性のあるインタラクションのフローとしてモデル化するものである」

DEM にはさまざまなテクノロジーが利用されています。たとえばデジタル提供シナリオにおける体験の正常性を把握するために模擬トランザクション モニタリング(STM)やリアルユーザーモニタリング(RUM)などが導入されていますが、特にユーザーから見てアプリケーションやサービスがインターネットをまたいだ場所にある場合に、そのテクノロジーが活用されています。クラウドファーストの世界では、このような状況が今日のほとんどのシナリオに当てはまります。セキュア アクセス サービスエッジ(SASE)や SD-WAN、ハイブリッドワーク テクノロジー(リモート勤務)などの利用は、いずれもインターネットに大きく依存しています。そのため利用しているプラットフォームサービスがインターネットからどのような影響を受けるかを把握しなければ、デジタル体験を理解することも、提供することもできません。そして、その影響を把握するという目的の下で設計されているのが DEM です。

 

1Gartner、『Hype Cycle™ for Monitoring and Observability, 2023』、2023 年 7 月 10 発行。GARTNER は、Gartner, Inc. とその関係会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、HYPE CYCLE は Gartner, Inc. とその関係会社の米国およびその他の国における登録商標です。許可を得てここで使用しています。All rights reserved.

変貌した世界

今では、クラウドが新たなデータセンターに、インターネットが新たなネットワークに、そして SaaS が新たなアプリケーションスタックになっています。このような変化によりハイブリッド導入が複雑化し、企業の IT 運用チームはビジネスニーズに対応しきれずにいます。組織の中で、これらの環境から戦略的資産としての優れた価値を引き出すには、CDN からバックエンドの API に至るデジタルサプライチェーンが、どのように顧客と従業員の役に立っているかを把握する必要があります。

クラウドを新たなデータセンター、インターネットを新たなネットワーク、SaaS を新たなアプリケーションスタックと捉える。それがきわめて重要

真のポテンシャルを解放

e コマースなどのデジタル サービスを提供している場合でも、クラウド ベースのエンタープライズ アプリケーションに依存して事業を運営している場合でも、ThousandEyes DEM は、デジタル体験をかつてないレベルで可視化します。ThousandEyes のプラットフォームは、ネットワークおよびアプリケーション Synthetic Monitoring (模擬トランザクションモニタリング)、EUEM (エンド ユーザー体感品質モニタリング)、BGP ルート情報、そしてインターネット / クラウド障害検出などのテクノロジーを組み合わせることで、グローバルの監視ポイントからユーザーの動作をエミュレートし、ユーザーの行動や体験を追跡できるようにします。インターネット、クラウド、そして Web アプリケーションの全体的なパフォーマンス データ (応答時間やトランザクション時間など) を追跡し、ダウンタイムやパフォーマンス低下の根本原因をすばやく突き止めることで、IT チームはより効果的な計画を立て、運用者自身の業務効率も最適化して、ユーザー体感品質の改善へと繋げることができます。

インフォグラフィック

インターネット時代にデジタル体験を可視化するには

パラダイムシフトにより、ビジネスにとって今やインターネットは新しい屋台骨となりました。SaaS は新しいアプリケーションスタックとなり、クラウドは新しいデータセンターとして機能しています。このような変化は、IT が組織内で果たす役割を再定義しています。ますます分散しダイナミックになる環境において、期待に応える高品質で安全、かつ信頼性の高いユーザー体験を提供する方法も変わりつつあります。

デジタル体験を可視化するには今や、インターネットを企業の新たなバックボーンとするパラダイムシフトが不可欠

デジタル体験モニタリングからデジタル体験アシュアランスへ

組織にとって、顧客や従業員に必要不可欠なデジタル体験を提供する上で頼みの綱となるのが、サービスと社内環境、社内ネットワークからなる複雑なネットワークです。しかしモニタリングだけでは十分な情報は得られません。今日見られる超分散環境で最適なデジタル体験を保証するには、DEM 戦略を通じてデジタル施策をビジネス上の成果として結実させる必要があります。この手法であれば、単なるモニタリングの段階よりも一歩進んだ、プロアクティブな管理とアクションの自動化を実現できます。

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デジタル体験モニタリング(DEM)の詳細および、お客様のビジネスにどのような意味があるかについてご確認ください。

デジタル体験モニタリング(DEM)の概要

Gartner 社は 2019 年 9 月に、デジタル体験モニタリング(DEM)に関するマーケットガイドを発行しました(確認するには Gartner 社への登録が必要)。疑い深い人は、さらに他の頭文字のソリューションを紹介する「別のアナリストレポート」に目を向けるかもしれませんが、このレポートは十分読むに値します。Gartner 社のレポートは、多くの主要企業が存在している世界の現実を反映しているため、DEM の導入は重要だと考えています。

デジタル体験の可視化が重要

2019 年が始まるにあたり、ITOps のイニシアチブを改めて検討すべきです。2018 年の最大のポイントの 1 つは、クラウドの採用と顧客体験のデジタル化が主流となり、IT Ops チームがそのトレンドに追いつくべき時期になったということです。次のポイントは、これらの新しいドメインを可視化するのは難しいということです。しかし、実際にできないということはあるのでしょうか。残念ながら、あります。

クラウドやデジタル変革を最大限に活用

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