本日、シスコは Code BGP を買収したことを発表しました。同社は、ギリシャに本拠を置く株式非公開の BGP モニタリング企業です。Code BGP のチームは BGP の著名な専門家を擁しています。Cisco ThousandEyes はこのチームを迎えることで、BGP モニタリング機能を強化し、世界的なインターネットの正常性に対する信頼の置ける可視性の対象範囲を拡大できるようになります。
BGP は、インターネットが機能するために不可欠なテクノロジーです。しかし、BGP の複雑な性質が原因で、インシデントの検出とトラブルシューティングは難しくなっており、特に大規模なインシデントではその傾向が顕著です。今年だけでも、インターネットを構成する何千ものネットワークにわたり、BGP ハイジャックや BGP ルートリークなどのインシデントが 6,000 件以上発生しました。このようなインシデントを切り抜けるためには、迅速な検出と修復によりダウンタイムを防ぎ、ユーザーを保護することが欠かせません。そのため、組織にとって BGP を可視化する能力は不可欠です。なぜなら組織は、顧客や従業員、ビジネスシステムをアプリケーションやサービスにつなげるため、インターネットに頼っているからです。
ThousandEyes は、ネットワーク全体における正常性やデジタル体験を広範囲かつ正確に可視化できるよう常に尽力してきました。当社の創業期におけるテクノロジーとユースケースが、BGP とインターネットルーティングの可視化に対するニーズに重点を置いていたのはそのためです。創業当初から BGP の可視化とアラートを提供しており、組織がインターネットルーティングの問題を迅速に検出し、診断できるよう支援してきました。このような問題は、インターネットにおけるトラフィックの通過性とセキュリティに影響を及ぼすからです。BGP の可視性は、ThousandEyes が公開しているインターネットの正常性レポートやインシデント分析にとっても、重要な役割を果たしています。このようなレポートや分析を通じて、インターネットや重要なアプリケーションとサービスの正常性について、豊かで奥深いインサイトを IT コミュニティに提供してきました。
インターネットのリサーチやエンジニアリングの人材はすでに充実していますが、今回 Code BGP チームが加わることで、対象分野における人材を強化できることになります。これにより BGP モニタリング能力を高め、イノベーションを推進できるため、お客様がトラブルシューティングや最適化を加速させ、ユーザーのデジタル体験を改善できるよう支援することが可能になります。
Code BGP チームは、インターネットのルーティングと計測に関する幅広い専門知識や応用研究の経験を有しています。3 人の創業者は、ACM SIGCOMM、ACM Internet Measurement Conference、IEEE/ACM Transactions on Networking、Science 誌、IEEE INFOCOM など、世界の主要な会議や専門誌でリサーチを発表してきました。また、プレフィックス ハイジャックをリアルタイムで検出し軽減するためのオープンソースソフトウェア、ARTEMIS の開発にも携わっています。同様に、Code BGP は、BGP ハイジャックや BGP ルートリーク、RPKI の問題をリアルタイムで検出するモニタリングソリューションを提供しています。
ThousandEyes では、インターネットを介したデジタル体験に、より優れたエンドツーエンドのアシュアランスを提供すべく Code BGP と協働できることを楽しみにしています。