モバイルデバイスと常時接続は、もはや利便性を提供するだけではなく、私たちの日々の働き方、買い物の方法、やり取りのあり方を大きく変えています。従業員はどこからでも仕事を管理できるようになり、消費者はあらゆるタッチポイントでシームレスかつ即時に購入できることを期待しています。エンタープライズモビリティが2030 年までに 3,009 億ドル市場に急拡大すると予測されていることは、驚くべきことではありません。企業はこの常時接続の世界で競争力を維持し、コストを削減して、収益を拡大しているからです。1
しかし、こうしたモバイルエコシステムのサポートを担う IT 部門は、この新しい現実によって、デバイスの問題やアプリケーションのパフォーマンス低下、ネットワークのエンドツーエンドの可視性の欠如など、さまざまな課題に直面しています。最大の障害は、おそらくサポートが事後対応型の性質であることです。エンドユーザーが問題を解決するために電話をかけたりチケットを送信したりする時点で、重要な業務が中断されていることがよくあります。
Cisco ThousandEyes は、この可視性ギャップに対処するために ThousandEyes Endpoint Experience の機能を拡張しました。新しい Android 向け Mobile Endpoint Agent です。Mobile Endpoint Agent は、Zebra のハンドヘルドスキャナ、タブレット、スマートフォンなどのさまざまなデバイスで実行されるように設計されており、組織のビジネスを支えるモバイルデバイス、ネットワーク、アプリケーションのパフォーマンスを管理するうえで必要なプロアクティブなインサイトを提供します。
モバイルの機会とその運用上の障壁
プロセスの改善、サービス品質の向上、競争的差別化要因の確立を目的として、多くの業界で、モバイルテクノロジーへの依存度が高まっています。
- モバイルバーコードスキャナは在庫および資産管理を変革し、サプライチェーンと製造業務の正確性と効率を向上させます。
- モバイル販売時点管理(POS)システムは、スポーツイベント、フライトやクルーズ、その他のさまざまな場所でのトランザクションを合理化し、あらゆる人にとってより迅速で便利なキャッシュレス決済を実現します。
- タブレットとスマートフォン上のモバイルアプリは、リアルタイムのコミュニケーション、コラボレーション、 CRM、 ERP、その他の重要なビジネスツールへのアクセスを提供することで、リモートワーカーとハイブリッドワーカーを支援します。
- ハンドヘルドスキャナとタブレットにより、フィールドサービス技術者や配達員といった「デスクレス」従業員は、オンサイトでの修理から最終的な配送に至るまで、より迅速かつ効率的にカスタマーサービスを提供できます。
しかし、こうしたメリットがありながらも、モバイル対応アプリケーションには固有の問題があります。これらの問題は通常、デバイス自体、ネットワーク接続、アプリケーションのパフォーマンスという 3 つの主要カテゴリに分類されます。
デバイスに関する問題
モバイルデバイス、特に、常に使用されているデバイスでは、バッテリの消耗が早くなる、 CPU に過負荷が生じる、接続が損失するといった問題によってワークフローが中断する可能性があり、場合によっては、充電のための中断やデバイス交換が必要になります。たとえば、POS のシナリオでは、これによりトランザクションが失敗し、販売の損失や顧客の不満につながる可能性があります。また、アプリケーションの互換性の維持や OS の適時更新、デバイス全体に共通する問題の特定など、大規模なデバイス群の管理に伴う課題もあります。
ネットワークに関する問題
ネットワークに関する問題は、モバイルデリバリーチェーンのあらゆる場所で発生する可能性があります。このような問題は、ローカル Wi-Fi 環境の悪さや過負荷のセルラーアクセスから、バックエンドルーティングの問題、バックホールリンクの輻輳まで多岐にわたります。エンドユーザーにとって、これらの問題は、在庫の検索の遅延、支払い承認の失敗、ビデオ通話品質の低下など、ビジネス運用に影響を与える中断として現れる可能性があります。
アプリケーションに関する問題
十分に最適化されていないモバイルアプリケーションは、速度低下やクラッシュが頻繁に起こる可能性があり、データ損失、ユーザーの不満、スケジュールの中断を引き起こし、テクノロジーが信頼できないという認識を高めてしまいます。この課題は、現在のアプリケーションの複雑さによって悪化しています。現在のアプリケーションは、多くの場合、マイクロサービス上に構築され、クラウドとコンテナインスタンスに分散され、外部アプリケーションと相互に依存しています。たとえば、 API のパフォーマンスが低いと、決済の処理、請求書の生成、オンサイトでの作業オーダーの印刷が妨げられる可能性があります。
事後対応型サポートの落とし穴
このような複雑なエコシステムの障害対応は、適切なソリューションがなければきわめて困難です。通常、問題はエンドユーザーによって事後的に報告され、トリアージやエスカレーションが発生し、最終的に業務がさらに長く中断することになります。また、根本原因の特定も簡単ではなく、解決までの時間が長くなり、ビジネスへの影響も大きくなります。
ThousandEyes でモバイルの可視性ギャップを解消
モバイル対応アプリケーションのメリットを最大限に享受するには、一貫したパフォーマンスを維持する必要があります。サポートチームは、問題の原因をプロアクティブに特定できる必要があります。たとえば、Wi-Fi 接続の問題、セルラーネットワークの輻輳、インターネットのルーティングの問題、アプリケーションサーバーのエラー、デバイスの不具合などです。この優れた可視性と適切な機能がなければ、責任の押し付け合いが発生し、時間のかかるエスカレーションが発生することになり、多くの場合、解決が遅れます。そこで役に立つのが、ThousandEyes Mobile Endpoint Experience です。
Mobile Endpoint Experience は ThousandEyes プラットフォームと、新しい Android 向けの ThousandEyes Mobile Endpoint Agent のパワーと機能を組み合わせたものです。現在 Google Play で入手可能です。
この強力な組み合わせにより、ThousandEyes Assurance は幅広い業界、環境、アプリケーションにおけるモバイルユースケースの課題に対処し、IT 部門は以下のことが可能になります。
- 取引やサービスにハンドヘルドスキャナが不可欠な、小売店、銀行、空港での顧客向け業務を最適化する
- 特殊なモバイルワークフローを利用する、要求の厳しい業界(航空、鉱業、製造、ロジスティクスなど)の運用継続を維持する
- Salesforce、Microsoft 365、Webex by Cisco などの重要なビジネスアプリケーションや、従業員のデバイス上のその他のカスタムアプリケーションをモニタリングすることで、生産性を向上させる
これらの豊富な機能により、よりプロアクティブで的を絞った運用スタンスが実現します。サポートチームとユーザーは、デバイスや Wi-Fi アクセスポイントの再起動など、思い切った方法ではあるものの効果的ではないことが多く、根本的な問題を解決できない可能性のある措置をとらずに済むようになります。
ThousandEyes プラットフォームの一部である Mobile Endpoint Experience では、Internet Insights や Network and Application Synthetics などの強力な機能も利用できます。 これにより、モバイルアプリケーションの動作に影響を与える、グローバルな SaaS 障害や API コールの中断といった、正確に特定することが難しい問題に関する詳細な可視性と洞察を 1 つのコンソールから得られるようになります。
ユーザーに何が起きているかを把握
Mobile Endpoint Agent は軽量であるため、デバイス自体から継続的かつリアルタイムの可視性を得ることが可能です。Wi-Fi 信号品質やセルラー接続などの主要なネットワークメトリックを監視すると同時に、重要なアプリケーション サーバーとバックエンドシステムに対して ICMP および HTTP 模擬テストを実行します。これらのテストはバックグラウンドで実行されるため、バッテリ寿命の低下を最小限に抑え、主要なタスクの中断を減らすことができます。同時に、IT チームはこれらのテストによって、不十分な Wi-Fi カバレッジやモバイルネットワークの劣化などの問題をプロアクティブに特定できます。
プロアクティブなアラートから迅速な問題解決まで
Mobile Endpoint Experience により、IT チームは、遅延やパケット損失などのデバイスおよびネットワーク KPI のパフォーマンスしきい値を設定できます。しきい値に違反すると、即座にアラートがトリガーされ、ユーザーに影響が及ぶ前にチームが対応できるようになります。たとえば、手荷物システムとチェックインデバイスの間で遅延が急増した場合、IT チームにただちに通知されるため、問題を解決して乗客の混乱を防ぐことができます。障害対応をさらに迅速化するために、カスタマイズされたウェブフックを使用して、これらのアラートを ITSM プラットフォームに統合できます。
すべてのデータが ThousandEyes ダッシュボードに集約されるため、チームはデバイス、ネットワーク、アプリケーションのパフォーマンスを関連付けて、広範な障害と個別のインシデントを迅速に区別できます。さらに、ThousandEyes のネットワークパスの可視化により、Wi-Fi アクセスポイント、コアルータ、ISP サービスなど、パフォーマンスが低下しているホップを正確に特定し、問題の特定と解決に費やす時間と労力を削減できます。
大規模な展開と管理
Meraki SM、SOTI、Omnissa の Workspace One、Microsoft Intune などのモバイルデバイス管理(MDM)ソリューションを通じて、Mobile Endpoint Agent をデバイス群全体に展開して管理することができるため、運用上のオーバーヘッドを削減しながら一貫したモニタリングカバレッジが得られます。
モバイル運用に変革し、モバイルエクスペリエンスを強化
モバイル エンドポイント エクスペリエンスは、IT スタッフを事後対応型からプロアクティブなデジタル エクスペリエンス マネージャに変えることで大きな価値をもたらします。デバイス、ネットワーク、アプリケーションのパフォーマンス全体にわたる、相関性のあるほぼリアルタイムの洞察が提供されるため、チームは平均検出時間(MTTI)と平均修復時間(MTTR)を短縮できます。このプロアクティブなスタンスにより、中断を伴う手動による診断の必要性を削減し、デバイスの展開を自動化することで、業務効率を向上させることができます。
ビジネスの円滑な運用と、従業員と顧客の両者のエクスペリエンスの向上を目標としている Mobile Endpoint Experience は、顧客満足度の向上、サポートケースの減少、明確な競争優位性につながります。
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1. Grand View Research 社、『Enterprise Mobility Market Size, Share & Trends Analysis Report By Component (Solution, Service), By Deployment (On-premise, Cloud), By Enterprise Size, By End-use, By Region, And Segment Forecasts, 2023 - 2030』(発行日:2023 年 8 月)